2022年10月4日 バリアフルレストラン 全国初の高校での実施

‘当たり前’を見直して社会の障害に気づく体験「バリアフルレストラン」を川崎市立橘高校にて実施しました。

公益財団法人日本ケアフィット共育機構(東京都千代田区 代表理事:畑中稔 以下、ケアフィット)は、マジョリティとマイノリティが逆転した社会から、既存社会の見えない偏りと“当たり前”を見直す「バリアフルレストラン」を2022年9月23・24日に川崎市立橘高等学校の文化祭において実施しました。バリアフルレストランの学校を対象とした実施は全国で初めての取り組みです。社会が作り出す障害に気づくことで、近年、学校教育でも啓発が進むSDGsのスローガンである“誰も置き去りにしない社会”の本質を学ぶきっかけを提供しました。

車イスの車イスによる車イスのためのレストラン バリアフル

■バリアフルレストランとは

「バリアフルレストラン」は、車いすユーザーが多数派になった逆転した架空世界を体験し、社会が作り出す障害とは何か、“当たり前って何だろう”を問いかける体験プログラムです。レストラン内は、車いすユーザーに最適化されており、参加者は「二足歩行者」というマイノリティとしての待遇を受けることになります。これまで「障害」を「身体障害」と認識していた参加者にとっては、その認識では捉えることのできない社会が作り出す障害を実際に体験することで、従来のような目隠し体験や車いす体験などの“身体障害疑似体験”では体験できない障害者体験をすることができます。

■橘高校での開催の経緯

川崎市では、「誰もが自分らしく暮らし、自己実現を目指せる地域づくり」を目指し、共生社会の実現に向け、「かわさきパラムーブメント」を推進しています。
かわさきパラムーブメントは、「障害の社会モデル」の考え方を基本としています。この考え方の浸透は、かわさきパラムーブメントの推進に必要不可欠であり、特に若年層への普及啓発が重要であると考えたため、今回は高校生を対象として開催しました。

■社会の偏りに気づくパネル展示

バリアフルレストランの会場では、トランプやハサミ、エスカレーターの並び方など、一見すると何が問題なのか分かりにくい社会の偏りをパネル展示しています。
障害者の経験する「障害」以外にも、様々な「違い」の間の不均衡がもたらす困難を知ることで、社会が作り出す障害を自分ごととして考えることができるようになっています。

社会の偏りに気づくパネル展示

■参加者の感想(一部抜粋)

今回は橘高校の文化祭においてバリアフルレストランを実施し、約50名の教員・学生と約20名のPTA・保護者に参加いただきました。

“車いすを使っている人にとって、段差や公共交通機関の利用の不便さだけでなく、私達が普通と思っている事に不便さを感じているんだと思いました。”

“すごく衝撃を受けた。自分の親切心が独りよがりな気がした。多様な考えをするという基本的に学校で教わることにも気づきがあった。”

“1番心がうごいたのが店員さんの態度でした。悪気がないのはわかっているし、むしろ私たちのためを思っての行動だとは理解できるのですが過度に気を使われている気がして心がワサワサしました。それを私たちも気づかないうちに周りの人にやっていると思うとこれからの行動1つ1つをしっかり考えなければならないなと思いました。”

バリアフルレストラン 川崎市立橘高校


■公益財団法人 日本ケアフィット共育機構について

公益財団法人 日本ケアフィット共育機構

日本ケアフィット共育機構は、超高齢社会の到来をふまえ、誰もが安心して暮らせる共生社会を目指し、高齢者や障害者をはじめとするあらゆる人々が安心して外出できるよう環境づくりを推進しています。
サービス介助士をはじめとする資格認定、小学校における介助体験教室の実施、バリアフリーの監修などを行 う他、近年はブラインドサッカーや車いすバスケなどパラスポーツ大会において、年齢や障がいの有無に関わ らずスポーツの感動を共有できるよう介助ボランティアとしての活動を行っています。

公益財団法人 日本ケアフィット共育機構外部リンク

■サービス介助士とは

「サービス介助士」とは、おもてなしの心と介助技術を学ぶ、(公財)日本ケアフィット共育機構が認定する資格です。20年の歴史があり、全国1000 社、18万人が取得し、年齢や障害の有無に関わらず全ての人が安心して外出し社会参加できる共生社会の実現に寄与しています。 鉄道、金融、流通などの各業界がソフト面におけるバリアフリー対応と ホスピタリティの提供のために資格取得を推進しています。

サービス介助士外部リンク

■Withコロナ時代の日本ケアフィット共育機構の取り組み

①サービス介助士実技教習におけるEラーニングシステム導入

外出自粛や三密回避など、従来のサービス提供や接遇を見直さなくてはならなくなった状況において、感染しない・させない接遇についての学習機会の提供が課題となった今、オンラインでサービス介助の重要な心構えを学ぶ学習スタイルを提供しました。1日にまとめた実技教習では障害当事者講師(サービス介助アドバイザー)と社会の障害を考える対話の時間をオンライン上で行うなどの新しい取り組みを開始しました。

サービス介助士(ケアフィッター)とは外部リンク

②サービス介助知識入門(オンライン完結講習)

サービス介助の基本となる知識を体系だって、全てオンラインで学ぶことのできる講習です。
オンデマンド形式で、約60分でサービス介助の第一歩を学ぶことができます。
従業員教育の一環やアルバイトスタッフへの研修としても効果的です。

サービス介助知識入門外部リンク


取材をご検討の報道関係者様、バリアフルレストランのプログラム提供をご希望の自治体・法人ご担当者様は下記までご連絡ください。

【問い合わせ先】
公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 広報担当:佐藤
東京都千代田区神田三崎町2-2-6 TEL:03-6261-2333 FAX:03-6261-2334
E-mail:toiawase@carefit.org  URL:http://www.carefit.org